朝涼忌

幕末に幕府側の遊撃隊として戦い、
五稜郭で戦死した心形刀流の剣士「伊庭八郎」の法要 朝涼忌 が
中野の貞源寺で行われた。

心形刀流宗家の方々の墓前で演武をすることになり、
当日はまずお墓に手を合わせ、
これから自分が稽古不足の見苦しいものを見せることを侘び、
それでも精一杯やる旨を伝えた。

いざ自分の番になると数十人いる観客よりも
ずらりと並んだ伊庭家のお墓からの重圧を感じる。
静かに刀礼をして自分を落ち着ける。


居合
居合を五本抜くこととその内容は朝電車の中で決めた。
これ以上迷うと抜けなくなると思い、
もう変えないと決意。

亀山伝一本目 向覃中刀
亀山伝一本目裏 前肩井刀
平戸伝一本目 向覃中刀
平戸伝五本目 後腰車刀
亀山伝六本目 一貫刀

平戸の五本目を入れたのは自分への課題。
難しいこの型をこの場で抜けたら
まぁまぁ及第点だろうと思ってのこと。
なんとか抜けてほっとした。

演武は駐車場で行ったので
正座したときの感覚がいつもと違う。
当たり前だけど畳と比べたらゴツゴツして硬い。

元からゆっくりとした動作で行うつもりだったので
怪我をすることはないだろうと思っていたが、
翌日足を見たら擦り切れていた。

ゆっくりやったつもりだったんだけどなぁ。
きっとガタガタだったんだろう。
後日映像で見るのが怖い。

反省点
気持ちが浮ついてしまい集中できていなかった。
動きにキレがなかったし、
納刀の時にはすっかり気が逸れていた。
昨年の演武会の時に意識した「切った感覚を残す」ことも
出来ていなかった。


組太刀
平戸伝の六本目から十本目。
声を出すことを意識して打ちあった。

組太刀は平戸で合宿した余韻がまだあるし、
前日に合わせもしたので大丈夫だと思っていた。

反省点
七本目で手順を間違う。
七本目はそう難しくないからと意識を外した部分があった。
気を抜いたところで打ち掛かられて慌ててしまった。
またしても集中力不足。


年末の演武会とはまた違う、
知らない人が多くいる場所での演武ができ、
良い経験になった。

宗家の墓前で演武できたのも
今後の自分への励みになりそう。

数年前だったら緊張でガタガタだっただろうに、
自分がああいう場で演武している事に驚く。

ここまで成長することに力を貸してくれた先生と
稽古仲間達に感謝。
これからもよろしくお願いします。


その後、法要が終わって明るい内から飲み始め、
陽もとっぷりと暮れた23時頃に解散。
よく飲んだものだw